美食家伊達政宗候の食事を戴く



その昔、現在の汐留あたりに仙台藩江戸屋敷があった。
平成3年からの汐留の再開発でこの藩邸の発掘調査が行なわれた際に屋敷、ゴミ捨て場から見つかったのは、
鯛やさざえ、鶴、羊、鹿、カワウソ、スッポン等、当時でもめずらしい動物の骨。

仙台藩初代藩主、伊達政宗はそうとうな美食家だったようだ。



その当時の食事を当時の調理法に従って再現した古典料理賞味会に先日出席してきた。
どんものだろうと興味半分、不安半分抱えてお邪魔したのだが・・

結論からいうと、びっくりするほど美味しい料理だった。
特に「かまほこ笹巻き」は魚そのものの味で大変美味。


当日のメニュー

一、肴 浜防風黄身酢(浜のせり:北釜産)
一、肴 ぢんた茄子(枝豆和え物)
一、肴 ほやカピタン漬け(南蛮料理)
一、肴 かまほこ笹巻き(閖上産ひらめ)
一、汁 華豆腐(昔とうふの卯の華切り)
一、向付 黒鯛子付け鱠(なます:煎り酒)
一、焼物 真鰈山吹焼(葉改敷き)
一、油物 浜防風揚げ(根ぼうふう)
一、酢肴 しめじ茸海苔酢(松島のり)
一、飯 冷汁かけ(名取産茗荷竹ほか)
一、菓子 しほがま(塩釜らくがん)


伊達男の名はファッションとグルメに生きた正宗からきているという。
実は仙台藩は当時60万石(実質100万石)の巨大な藩であったために江戸幕府潜在的脅威であった。
それを欺くため、遊び人を気取って見せたという見方もあるのだ。
力で支配した戦国武将のイメージの強い政宗だが、
実は奥の深い、魅力のある人かもしれないな。

もし願いが叶うなら、逢ってみたい一人だよ。