結構楽しみにしてたのだけれど、期待どおりの良い映画でした。


温かみあふれる東北なまりの言葉、
不器用な人間の生き様が描かれている、
藤沢周平原作ものの時代劇三部作の完結編。


東北の小藩、下級武士である主人公の「武士の一分」をかけた復讐劇なのであるが、僕は、なによりこの映画の本質は何度か出てくる「一汁一菜」の慎ましい食事のなにげないシーンに集約されているとおもう。
立派とはいえない小奇麗な日本家屋と、その背景の美しい四季の風景。
そしてありふれた食事の中にある小さな幸せ。これこそが本当のテーマで一番描きたかったことではないのだろうか。


役者陣もとてもいい。
特に主役の木村拓哉檀れい
演技上手すぎです。


僕は海坂藩をテーマとしたこの三作部が大好きだ。
映画に出てくる人物達は常に人間くさく、従来の時代劇にありがちな綺麗な衣装とか、颯爽とした殺陣とかとは無縁の、いわば異色な時代劇かもしれない。
しかし、このリアリティがあるからこそ最高の人間ドラマに仕立て上げられているように思う。

この映画、上映時間 121分 の大作でありながら、時間を感じさせないほど素晴らしい出来。
傑作です。

きっかけがキムタクでもいいから是非見て欲しい映画だなぁ。